SSブログ

人間に生まれるのはどれほど難しいことか。 [釈迦]

250px-Sermon_in_the_Deer_Park_depicted_at_Wat_Chedi_Liem-KayEss-1

人身受け難し

釈尊(お釈迦様)は深遠な仏の知恵により、

我々の生命の実相を明らかにされました。

釈尊はまず、我々が猫や犬、獣や鳥、魚や昆虫などの

他の世界に生まれず、人間に生まれることは大変に稀なことであり、

喜ばねばならないと仰せられています。

ある時、釈尊が

「たとえば大海の底に盲目の亀がいて、

百年に一度、波の上に浮かび上がる。

ところがその海に浮いた木があり、

真ん中に一つの穴がある。

百年に一度浮かぶこの亀が、

ちょうどこの木の穴から頭を出すことが一度でもあるだろうか。」

と尋ねられた。

DSCF1024.jpg-1





阿難という弟子が、

「そんなことはほとんど考えられません。」

と答えると釈尊は、

「誰もそんなことはあり得ぬと思うだろう。

しかし、何億年、何兆年と繰り返していけば、

全くないとは言い切れぬ。

人間に生まれるのは今の譬えよりも

更にあり得ぬことなのだ。」

と説いています。

これを「盲亀浮木(もうきふぼく)の譬」といいます。



また、「人間に生まれるものは爪の上の土ほどであり、

他の世界に生まれるのは大地ほどである。」

とも言われています。



我々生命は、無限の過去から、6つの世界を生死流転しています。

その6つの世界とは、

人間界・・人間の世界。
畜生界・・人間以外の動物、昆虫などの世界。
地獄界・・大苦悩の世界。
餓鬼界・・飢えて苦しむ世界
修羅界・・闘争の絶えない世界
天上界・・天人の世界

これら6道はいずれも苦しみの世界であるから迷界といいます。



我々の生命は無限の過去から苦しみ続けてきたのです。

当然、人間世界も苦悩が充満しています。

この世の大成功者といわれる人たちも

「人生は苦なり」と告白しています。

「人の一生は重荷を背負うて遠き道を行くがごとし」
              (徳川家康)

「花の命は短くて、苦しきことのみ多かりき」  
           (文学者・林芙美子)

「私は時折、この世から消えてしまいたい衝動にかられることがある。」
                (ダイアナ妃)

死後もまた苦悩の世界に流転していくのです。



では、無限の過去と永遠の未来にはさまれた瞬間的な苦悩の人生、

人間の命がなぜ尊いのか。

それは万物の霊長である人間にしかできないたった一つの重要な事があるからです。

我々の苦悩の根源が何であるかを知り、

それを断ち切ることです。

そのようなことは、犬や猫の世界では絶対にできません。

他の世界では絶対不可能であり、

人間界でしかできないのです。

いわば無限の過去から自分を苦しめてきた病気の原因を突き止めて

大手術を敢行し、真の健康を得る千載一遇のチャンスなのです。



そのチャンスを最初につかまれた方が釈尊でした。

古代インドの王家に生を受け、

富、権力、名声の保証された皇太子の身であられても

苦悩は去らなかった。

そこで釈尊は29歳、苦悩の真の原因を突き止めるため

城を出られ、難行苦行の身になられました。

6年間の修行と思索の末、

ついに釈尊は生死流転の根源は無明という心であることを知られ、

それを破って涅槃という真実の幸福、永遠の幸福を体得されたのです。

釈尊はそれを迷界からの出離、苦悩からの解脱であると教えられました。

悟りの世界に出られた釈尊は再び生死流転されることはなくなったのです。

人間に生まれたものだけが、釈尊のように苦悩の根源を知り、

解決できるのです。



しかも釈尊は解決の道を2通り教えられています。

一つは釈尊がなされたように難行の道

これは一般の我々が進むことは到底不可能です。

もう一つは易行の道、これは老若男女を問わず、

誰でも進むことができます。

法然上人や親鸞聖人はこの道により、

苦悩の根源を解決なされました。

そして万人に勧めてゆかれました。

全人類は誰もが、その易行の道により、

未来永遠の幸福になることができるのです。




地球より重い人命

そんなとてつもない何億年、何兆年に一度のチャンスに

恵まれているのが、人間だから、どんな人の命も地球より重いのです。

またどんなに苦しくても自殺をしてはならないのです。

自殺は全く苦悩の解決にはなりません。

真の幸福を得るチャンスを自ら放棄して、

更なる苦悩の世界に沈むだけなのです。




今回の記事で書いたことは、

①生命は無限の過去から未来に向かって、

苦悩の世界を生死流転している。

②生まれ難くして生まれた人間であるときだけが、苦悩の原因を知り、

解決できるチャンスである。

③だから自分の命も、他人の命も極めて大切である。


そしてやはり一番強調して教えられたのは、

後生の一大事の解決は、今しかない!!ということです。



nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:資格・学び

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。