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科学の進歩=人類の幸福か

(問)科学の進歩は、イコール人類の幸福といえるのではないでしょうか。
仏教から見た科学はどういうものでしょうか。

(答)
生活のあらゆる面で科学の恩恵にあずかっている現今では、
あなたと同意見の人が多いに違いありません。
仏法でもそれらの一面を否定するのではありませんが、
科学はあくまでも幸福になる一つの手段であり
道具であります。
その道具を使うのは人間です。
私たちがそれを、どう使うかによって
科学は鬼にも仏にもなると教えるのが仏教です。

●科学は鬼か、仏か

19世紀までの科学は人類を幸福にしましたが、
ダイナマイトが発見された頃から、
科学の進歩は血なまぐさい兵器開発に
利用されるようになりました。
第一次世界大戦から二次世界大戦を迎えて、
人類の大量虐殺は急に加速度を増しました。
そして遂に原子爆弾という化け物まで生み出したのです。
それは1938年、ドイツの物理学者が
ウランの核分裂を発見したのが始まりでした。
科学者は、ナチスドイツが、この原理を悪用して
核兵器を製造するのではなかろうかと恐れました。
その懸念をアインシュタインが、
アメリカ大統領に伝えたことから、
原爆開発が急ピッチで進められ、
敗戦迫る日本の広島、長崎に投下されたのです。
戦後わずか4年で、旧ソ連も原爆を保有し
米ソ二大国の、核開発の競争が始まりました。
両国は原爆に続きその数百倍の破壊力のある水爆も開発し、
一時は世界に、7万発の核爆弾が存在しました。
削減が進められている今日でも、
人類を何回も絶滅させる核兵器があるといわれます。
核戦争に加え、核兵器のテロジャックのシナリオに、
人類は戦々恐々としています。
もうこれは、兵器などというものではなく
人類絶滅器、地球破壊器というべきでしょう。
第二次大戦では、世界で五千万人近くの青年が
雑魚のように殺されました。
もし三次大戦が起きれば、
数時間のうちに地球は火の玉に燃え上がることでしょう。

●鬼とは誰のことか

科学は、果たして鬼なのか仏なのでしょうか。
いや科学は、必ずしも鬼ではありませんが、
科学を利用する人間の心に鬼が棲むのです。

貪欲と瞋恚と愚痴がそれです。
釈尊はこれを青鬼・赤鬼・黒鬼と教えられました。
この鬼の前には、人間の尊厳も自由も生命の歓喜も許されません。
学問も教養も修養、倫理、道徳も糞くらえとなってしまいます。
鬼ヶ島の鬼を退治したのは、桃太郎でしたが、
私たちの心の鬼を更生させるのは、
真実の仏法しかありません。

古今東西の人類を、真の幸福に救う真実の仏法を伝える手段に
活用されてこそ、科学は真の存在意義を持ち、
使命を果たすことができるでしょう。

科学をそのために活かすのが、
真の仏法者でなければなりません。

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