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五逆罪

五逆罪

親をそしる者をば五逆の者と申すなり       
                   (末灯釥)

と親鸞聖人は言われます。

五逆罪とは、5つの恐ろしい罪のことですが、

中でも最初に挙げられているのが、親殺しの罪です。

16歳の少年が金属バットでお母さんを殴り殺したとか、

50代の男が年老いた母親を刺し殺したなどという事件が、

時々耳に入ってきます。

赤ん坊の頃は、お乳を飲ませてもらったり、

おむつを取り替えてもらったのではありませんか。

病気になれば寝ずに看病してもらったり、

離れていれば、いつも心配してもらって成長してきたのです。

そんな大恩ある親を自らの手で殺すなど、

人間の心を持たぬ鬼の仕業ではないかとさえ思えます。

仏教では、このような親殺しの大罪は、

無間地獄へ堕つる恐ろしい無間業であると教えられています。

ところが親鸞聖人は、

このように手にかけて殺すばかりが親殺しではないのだよと、

「親をそしる者をば五逆の者と申すなり」

と言われます。親をそしるのも五逆の罪なのです。

「早く死んでしまえ」などと言うのは無論ですが、

「あっちへ行け」などとののしるのも親を殺しているのです。

また仏教では、体や口よりも心を重く見られます。

体で殺すのも恐ろしい罪ですが、

もっと恐ろしいのは心で殺す罪だといわれています。

「心で殺す」とは、一つ屋根の下で暮らしておりながら、

ろくに口も聞かず、食事も別々に取り、

呼ばれても聞こえないふりをして親を邪魔扱いしているのは、

心で親を殺しているのです。

親が病気にでもなり、寝たきりになったらどうでしょう。

世話を嫌って、「邪魔だなあ」「いい加減に死んでくれたら」

という心が噴き上がってきます。

とても他人には言えない心が、出てはこないでしょうか。

手にかけて殺してはいなくとも、

私たちは心でどれだけ親を殺しているか分かりません。

誰しもが今までに1度や2度は、

「こんなに苦しいなら死んだほうがましだ」

と思ったことのない人はないでしょう。

「死んだ方がましだ」と思うのは、

「生みさえしなかったらこんなに苦しまなくてよかったのに」と、

親を恨み、呪っている心です。

間違いなく、それは、心で親を殺しているのです。


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