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わがまま女を〝婦人の鑑〟に変えた釈迦の「七婦人」の教え [ブッダと仏弟子の物語]

   わがまま女を〝婦人の鑑〟に変えた

         釈迦の「七婦人」の教え

 

お釈迦さまの説かれた『玉耶経(ぎょくやきょう)』に

登場する玉耶姫は、後生、〝婦人の鑑〟といわれましたが、

初めは身勝手で、家族を大変困らせた女性でした。

 

どんなお釈迦さまのご教導で、

大変わりしたのでしょう。

 

「祇園精舎」の建立で有名な、

インドの給孤独長者(ぎっこどくちょうじゃ)が、

一人息子に玉耶という美しい嫁を迎えた。

ところが美貌にうぬぼれ、〝嫁いでやった〟の意識が

強い玉耶は、家族の和を乱していた。

困り果てた長者が、〝何とか心がけがよくなるようお諭しを〟

とおすがりすると、同情されたお釈迦さまは早速、

大勢のお弟子と長者の屋敷へ赴かれる。

だが、ヘソを曲げた玉耶は、部屋に隠れて出てこない。

そこでお釈迦さまは、神通力で屋敷を全て透き通るガラスに

変えてしまわれた。

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玉耶姫は驚き、自ら飛び出してお釈迦さまの前にひざまずいた。

玉耶よ。いかほど容姿が美しくとも、

心の汚れている者は醜いのだ。

それよりも心の美しい女になって、

誰からも慕われることが大切とは思わぬか

と優しく諭され、彼女に「七婦人」を示された。

それが、次の7通りの婦人です。

 

①母の如し

②妹の如し

③善知識の如し

④婦の如し

⑤婢の如し

⑥怨家の如し

⑦奪命の如し

 

初めの「母の如し」とは、母親が子供を養育するように、

愛情豊かに夫と接する妻をいいます。

次の「妹の如し」は、妹が兄を尊敬し、

慕うように夫に仕える妻のこと。

「善知識の如し」とは、一切の人々を真実の幸福に導く

善知識(仏教指導者)のように、常に夫を善導し、

成功に至らしめる賢夫人をいいます。

「婦の如し」とは、時に夫婦ゲンカもするし、

仲良くもなる。夫と対等のフツウの妻です。

「婢の如し」は、召使のような妻。

自己主張をせず、何事も黙々と服従する女性を表します。

「怨家の如し」の「怨家」とは、

夫に恨みを持ち、〝こんな男と結婚したから・・・〟と、

恨み続ける妻のことです。

「奪命の如し」とは、日々、〝死んでくれ〟と夫を憎み、

ついには命を奪ってしまう恐ろしい妻をいいます。

 

じっと聞いていた玉耶は、「怨家」「奪命」の説明に、

〝心をのぞかれているのでは〟とギクリとした。

紛れもない。これは私のことだわ

教えの光で、これまでの悪態の数々が知らされ、

自堕落で身勝手な自分の姿が照らし出されたのである。

お釈迦さまは穏やかに、

玉耶よ、これが7種の婦人だが、

そなたは自分をどれだと思われるかな

お釈迦さま。私は・・・怨家と奪命を

こね合わせたような者でございます

即座に答える玉耶。

それはよい婦人かな?

いいえ、恐ろしい女です。私ほどの悪女はありません。

こんな私が救われるには、どうしたらよいのでしょう?

聞く心になった玉耶に、諄々とお釈迦さまは

仏法を説かれた。

やがて心から悔い改めた玉耶は、後世、婦人の鑑と

称賛される女性となり、一家和合の給孤独の家は

ますます繁栄したという。

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