親鸞聖人の教えって? [親鸞聖人]
(真実の仏法を説いておられる先生の書かれた「とどろき」より載せています)
①独自の教えを説かれたのではない
「浄土真宗」とか、「親鸞聖人の教え」と聞くと、
何か独自の教えを考え出されたように思うかもしれませんが、
そうではありません。
「更に親鸞珍らしき法をも弘めず、
如来の教法をわれも信じ
人にも教え聞かしむるばかりなり」
「更に珍らしき法を弘めず」とは、
「親鸞の伝えていることは、
決して珍しい教えではありません」
ということ。
珍しい教えとは、今までで誰も説かなかった
新しい教えのことです。
聖人は、そんな珍しい教えを伝えたことは
一度もなかったのです。
②親鸞聖人の教え=仏教
では、どんな教えを伝えられたのでしょうか。
「如来の教法をわれも信じ
人にも教え聞かしむるばかりなり」
と言われています。
如来の教法とは、釈迦如来(お釈迦さま)の教え、
仏教のことです。
約2600年前、インドで活躍なされたお釈迦さまは、
35歳で大宇宙最高の「仏」というさとりを開かれ、
80歳でお亡くなりになるまでの45年間、
教えを説いていかれました。
それが仏教です。
その仏教を
「間違いないと、親鸞知らされたから、
皆さんにもお伝えしているだけなんだよ」
とおっしゃるのです。
③仏教には何が教えられているか
お釈迦さまは何を教えられたのでしょうか。
釈迦45年の説法は、
すべて「お経」となって残されています。
その数は7000余巻。
総称して「一切経」といわれます。
この7000余巻の一切経を全部読んで、
しかも正しく理解しなければ、
仏教に何が説かれているのか分かりません。
だれでもできることではありませんね。
親鸞聖人は、その一切経を何回も読み破られて、
「お釈迦さまの説かれたことはたった一つだ」
と、『正信偈』の中に驚くべき断言をされています。
親鸞聖人の、そのお言葉をお聞きしてみましょう。
④仏教=弥陀の本願
「如来所以興出世
唯説弥陀本願海」(正信偈)
「如来、世に興出したまう所以は」とは、
釈迦如来がこの世にお生まれになって、
仏教を説かれた目的(所以)は、ということ。
それはたった一つのことを
説かれるためであったとの断言が、
次の「唯説」。
その唯一つのことこそ「弥陀の本願」です。
その広さ、深さはこの世で例えるなら「海」しかないので、
本願海とおっしゃっています。
お釈迦さまが説かれたことは、弥陀の本願唯一つ。
だから親鸞聖人も、その弥陀の本願一つを生涯、
教えていかれたのです。